あれは高校2年生の時。私はソフトテニス部で気になる彼はバスケット部。放課後、クラブハウスへ行く時も、部活が終わって下校する時も、必ず集団行動していた彼。なかなか1人の時が少なくて、かといって大勢の仲間のいる前でバレンタインのプレゼントを渡すのもかわいそうだし、大体私の方が恥ずかしい。
そこでソフトテニス部の子達と色々作戦を考えて、殆ど遅刻ギリギリ、門に滑り込みセーフで登校していた彼だったので、1人でいる所を狙うのはその時間しかないよ、朝のどさくさにまぎれて渡したらどうかな、と仲間達が考えてくれました。
プレゼントの内容をどうしようかと悩んでいたら、仲間が一緒に買い物について来てくれる事になったのですが、これが良かったのか悪かったのか。カワイイ透明のビンの中に、キラキラした包みに包まれた星型のチョコレートを詰めてもらって、それを買いました。ただ、嫌がる私の言う事を全然聞いてくれず、星型のチョコの中にたった一つ部だけ「ハート型」をしのばせたのです。「恥かしいから絶対やめて!」って言うのをふりほどいて、半分面白がっていたようでした。あとは何に入れて渡すかです。友達にどんなのを持たされるかわからなかったので、紙袋は自分だけで後から買いに行きました。だけどクラブ後にこっそり行ったので、あちこち店を渡り歩く事が出来ず、ある1店に絞って行ったのはいいのですが、意外とおとなしめの目立たないのが無いのです。散々悩んで選んだ、男の子でも持ってても恥ずかしくないのは「これ」くらいしか…。
さて、いよいよ翌日。バレンタイン当日です。予想通り、遅刻ギリギリめがけてやってきた彼でした。ただ、本当に遅刻ギリギリだったので自転車置き場で渡すつもりが渡しそびれ、階段を猛ダッシュで上がる彼に追いつくのが大変だった事!!どうにか呼び止めて「はいこれ、あげる!」と、踊り場で渡すのが精いっぱい、「あ、ありがと!」と受け取ってくれましたが、それから二人で息を切らして教室に入りました。かなりな勢いで教室に入ったので、クラスのみんなに注目を浴びて、しかもその彼は見慣れぬ紙袋、メチャクチャ派手な原色の緑色のツヤツヤの袋を持っていた物だから、みんなの大注目をますます浴びました。「なんでよりによってあんな袋にしたの?」ってみんなに笑われました。渡した恥ずかしさよりも、その事の方が今思い出しても恥ずかしいです。放課後、クラブへ行く姿を見かけても、豆粒のように小さくなっても緑色のカバンは良く見えました。