まだ恋愛というものがよくわかっていなかった中学一年生の頃。淡い恋心をよせた男の子がいました。その人は同じクラスの人気者で、名前は田中君。吹奏楽部でした。私の席は後ろのほうだったので、前のほうの席にいた田中君をこっそり授業中にのぞき見てはきゃーきゃー心を躍らせていたものです。
そして女子の一大イベントバレンタインデー間近のある日。友達からチョコをあげなさいよー!と言われ、そうねあげてみようかなっ!と自分もその気になり、田中君にあげるチョコを買ったんです。どんなチョコだったかもう覚えていないのですが、すごくシンプルだけど定番な赤い包み紙に赤いリボンだったのは覚えています。そしてカバンに入るように平べったい大きさにしたんですよね、確か(あれ、結構覚えてるな)。
バレンタイン前日の日。どこで渡そうかすごく考えて、友達にも電話で相談した結果、学校では渡す勇気がないから家に行って渡そう!ということになったんです。田中君とは小学六年生の時も同じクラスだったので、卒業名簿で住所は分かっていました。ただ、その頃はまだパソコンなんて普及してない時代ですから、その住所を頼りに自分の足で家を探すことになったんです。
当日は友達も一緒に行ってくれるとのことだったので、二人で探すことになりました。そして当日、授業が終わり友達二人でダッシュで学校を出て、田中君の家付近をうろうろ。番地が分かっても同じような家が多かったので全然見つからなかったんです。そんなこんなで日が暮れてきて、もうあきらめようかと思っていた時に、やっと見つけました!もうその時はチョコをあげることよりも家を探すことに熱中していたような気がします(笑)。
で、チャイムを押そうとしたんだけど押せないの!恥ずかしくて!やっと探せた家なのに半泣きになっていました。結局それから30分位考えた後、ポストにチョコを入れて帰りました。中にはもちろん手紙を入れて。彼からはホワイトデーにクッキーをもらったものの、恋はみのらず。風の噂で他の子と付き合ったと聞きショックでショックで。そして友達を連れてやけ食いしました。そんなほろ苦いバレンタインデーの思い出でした。