『バレンタインそれは、一年のうちで女の子が一番大胆になれる日』と言われていたのはいつのことだったのか

今では男も女も関係がなくなってしまっているようだ。しかし変わらないのは愛の告白という事ではないだろうか。そんなバレンタインの記憶をたどってみると、私はあまりモテた方ではないのでほんの一握りしかない事に気づく。その少ない記憶の中の想い出のバレンタインの話を少ししてみたいと思う。

僕にとってバレンタインとは、禁忌とでもいえるほどにいやな日であった。なぜかというと前にも記したようにあまりモテなかったのでチョコなど貰ったことがなかったからだ。しかも僕は大のチョコレート好きなのに貰ったことがないときていた。そしてこの日にチョコをくれるのは母親だけだった、それが余計に悲しさを煽っているのだった。

いつしか好きな人から貰いたいその願いがかなう日が来るとは信じられない光景であった。好きな人に貰うというのは、両想いでなくてはいけないのだ。あまりに貰えない時期が長いと誰でもいいからチョコをそして愛の告白を貰えばいいというものではなくなってしまうものだ。運命の日は刻々と迫ってきていた、友人から「あの子がお前のことを好きらしい」と聞いていた僕はあまりの期待に気を失いそうな当日を迎えていた。(少し大げさではあるが)今年こそは貰えるのか、しかもあの子から、ホントに貰えるのか、もらえたらどうしようか、告白されたらどうしようか、カッコつけて一度断ってしまおうか、断ったらもう付き合ってもらえないかもしれない、でもすぐにOKしていたら馬鹿にされてしまう。

堂々巡りになってしまいそうなのでこの辺で終わりにしておくが、ホントに一日中呆れてしまうことを考え続けていた。そしてなんと一日は過ぎてしまったのだ。なんなんだこの一日は・・・・、落胆はなぜか逆切れになってきた。あの子何やっているんだよチョコもくれないで(チョコをくれることが告白と同じことに頭の中ではなっているのだ)どうかしてるんじゃないかまったく。そしてその怒りは何時しか泣きに変わっていた、どうしてくれないんだよ~。そして心配に変わった、あの子に何かあったのかも知れない・・・。今考えるとこの時間はホントに幸せな時間だったと思います。

次の日を迎えて気の抜けていた僕に元気をくれたのは、あの子からの電話でした。「今から会えますか、渡したいものがあるんですけれども」その言葉を聞いたときに僕の周りは光に輝いていたに違いない。すぐに駆け出したい気持ちを抑えながら平静を装いながら電話を切り待ち合わせの場所までその時間まで駆け出していました。

真っ赤な顔をしていた彼女の突然に言った言葉は「ごめんなさい」だった。何の事だか僕は分からずうれしさを何処に向ければよいか迷ってしまったが次の「チョコが上手にできなくて今日になってしまいました。貰ってください」という言葉を聞いて笑顔が止まらなくなってしまいました。そしてもじもじしている彼女からチョコを貰って僕は云いました。「ありがとう。大事にするよ」チョコなのに食べないのかというのか自分でもわけがわからなくなっていました。不思議な顔をしている彼女に男の僕から「よかったら付き合わない」と告白しました。

こんなベタなバレンタインですが、僕にはひそかな幸せな想い出のひとつになっています。