バレンタインの想い出といいますと、いくつかあるわけなんですけれども、特に印象に残っていることがふたつあります。

一つは小学生の頃。同じクラスの女の子がバレンタインデー近辺の日曜日に、わざわざ私の家にまでチョコを持って来てくれたんです。別に当時小学低学年の私には、その子にどうこう感情はなかったわけですが、このとき初めて「他人が自分のためにこんなことをしてくれたんだ」という感動のようなものを味わったことを今でも強烈に覚えています。

ただ自宅にはもちろん両親をはじめ他の家族もいましたし、その面々を前に私はとっても照れくさくてなかなか素直に受け取ろうとしませんでした。後日、もちろんホワイトデーのお返しをしたわけなんですけども、何しろこんなことも初めてだったもので、特に相手の女の子に特別な感情はもっていなかったものの、やたらと緊張して、その子の家周辺を意味もなくウロウロしてなかなか訪問できずにいた私は、今だったら間違いなく不審者です(笑)お返しは無事渡せたわけなんですが…。

今ひとつの想い出は、社会人1年目の頃。私はどういうわけかバレンタインのシーズンに交際相手がいたためしがなく、実はそれまで恋人とのバレンタインというものを体験したことがありませんでした。そこでようやく巡ってきた彼女とのバレンタインデー。今まで義理などでもらったものから察しても、だいたいチョコの類いかファッションものを予想していたのですが、私のその予想を彼女は見事に裏切ってくれました。その日彼女は、自前でケーキを作ってきてくれました。

バレンタインに交際相手がいたのも初めてなら、手作りケーキをもらうのも初めて。ここでも私は何とも言えない感動めいたものを覚えました。「わざわざ自分のために、時間をかけてケーキを作ってくれた」あまりそういった経験がなかったせいか、この自分のために時間と労力をかけて何かをこしらえてくれたという行為に、私はしばらく感謝の言葉すら出ませんでした。

正確には今までもそういったことが何回かはあったかもしれませんが、そこは初めて過ごす、彼女とのバレンタイン。多分相当舞い上がっていたのでしょうね。しかも、内容も私の予想していなかったもので、余計に驚きと感動に満たされたのでしょう。そのせいかそれから十数年経った今でもこのときのことはずっと心に残っています。

以上、わたしのバレンタインの想い出にまつわるお話でした。